フューチャーリンクでは『事業と個人の成長をつなげる』ことを目指しており、事業成長や個人成長のために必要なことは何かを、様々な視点から紹介します。
弊社の松井とは20年来の付き合いである株式会社シンクロの西井さんは、訪問国数150か国近くのバックパッカーである一方で、複数社の経営に関わり、国内外のスタートアップに出資もしている他、執筆や講演、メディア露出も多数あります。
西井さんの人生観は、バックパッカーの経験から得た「自由さ」や「強さ」から生まれ、ご自身のビジネススタイルに大きな影響を与えています。
前半では、西井さんの人生観やこれまでのキャリアについてお話いただきました→
「自分の道を自分で決める」- 株式会社シンクロ西井さんとの対話-前半-
なぜやるのか?がチームや組織を強くする
西井さん:起業した後に気づいたことは、他人と何かを共にするのが好きだということです。自分一人ではできないことを、チームとして成し遂げることに喜びを感じます。例えば、自分が運営しているサッカーチームやNPOジャパンハートの理事としての活動などがそれに当たります。これらの活動を通じて、自分がやりたいことを他の人がやってくれるとき、自分の役割として、マーケティングを担当することが誇らしいと感じます。自分がやりたいことを達成するためには、チームが必要です。
---チームで仕事をする場合に必要な在り方は何でしょうか?
西井さん:以前、スタートアップ界隈で漫画の『ONE PIECE』が流行ったこともありますが、ONE PIECEの魅力は、ONE PIECE自体が未だに何かわかっていないところにあります。そして、具体的な目標ではなく、「面白いものがこっちにある」と言った感覚で仲間が集まることです。1000億円や1兆円の宝があると言われても、仲間が集まらない場合もあると思います。シンクロでも同じで、何をしたいんですか?と言われても何もないですし、目の前にあるやりたいことをやろうというでしかなくて、“Be a backpacker.”という行動指針の下でやっていれば、きっと面白いことがあるよねという感じでやっているので、そのあたりはONE PIECEに近いかもしれません。
---面白いですね。
西井さん:そうですね。最初オイシックスは、有機野菜の宅配を始めましたが、途中からミールキットのような商品を開発したり、M&Aを行うなどして変化していきます。予め想定していたわけではないですし、変化に対応するためにやってきたことです。その色々な変化の中で、長期的に一緒にやっていて気持ちのいい仲間が集まった結果が会社になっていると良いなと思います。それで初めてパーパスという話が重要になると思います。それが長期的に一緒にやっていて気持ちのいい仲間が集まることが、会社になると良いと思います。
---シンクロについてはいかがでしょうか
西井さん:シンクロでも、最初からこれをやろうと決めていたのではなく、入ってきたメンバーによって今のカルチャーができてきました。起業して少ししてからイースター島で出会った松谷が入社してきて、その後に南米アルゼンチンで会ってフィリピン在住の植嶋が入社して、現在グロースXの代表をしている津下本が入ってきて、齊藤が入ってHOLICCを立ち上げてと、多様なメンバーが仲間に加わりました。
もともとバックパッカーが多いせいか、旅行先でも同じ部屋に泊まって、一緒に遊んだり仕事の話をしながら、みんなで楽しむことで現在のカルチャーが生まれました。彼らがカルチャーを作り、私のことも理解してくれて、それまで会社は利益を生み出す装置と思っていた認識が変わりました。
最近面白かったのは、元々“非バックパッカー”の人でもこのカルチャーに染まって、溶け込んでいることです。環境が大事だということに気づきました。
---いろいろな試行錯誤があったんですね。
西井さん: 3ヶ月に1回は必ず合宿をやろうとか、コミュニケーションを密にすれば、リモートワークは問題ないなど試行錯誤の中で得られた結果であり、評価制度も毎年更新しています。それらについては、私が一方的に決めるのではなく、組織人として経営に関わっていたメンバーなどが主体的に動いています。彼らが案を作成し、みんなで話し合い、納得のいくものに変えていっています。その過程で否定的な意見を言う人はいません。会社が事業として成り立つところから、カルチャーが形成され、今ではカルチャーがどんどん変わっています。
もし私から見て違和感があれば意見を言いますが、メンバーもそれに合わせるのではなく、シンクロのカルチャーやThink Wayを理解した上で、自分たちがやりたいことを実現するためにどうするのがいいか、合宿などで話し合い、決定しています。
---これからどんなことをしていきたいですか?
西井さん:働かされているとか、仕事がつらいみたいな感じではなくて、自分のやりたいことを決めて、それに対してコミットしていく意識を持てる人がいれば、楽しく人生が過ごせるということを世の中に伝えていきたいと思っています。シンクロの中には、20代で、大学を卒業したての人たちもいます。そういった人たちにも活躍の場を提供したいと思っています