【この記事でわかること】
・年収1000万円以上を稼ぐための意識
・年収の算定方法
・数字面以外の年収算定のポイント
・年収交渉における意外な話
・年収1000万円以上の転職の成功例・改善例
・総括
【最初に結論】
業種や世代にも拠りますが、年収1000万円はビジネスパーソンの一つの目標とされてきました。
その水準以上の年収で転職をしたり、お給料をもらうための方法を整理していきたいと思います。
【年収1000万円以上を稼ぐための意識】
業界や職種にも依りますが、「年収の3倍、利益を創出」する意識を持ったほうが良いと思います。
逆説的に言えば、1000万円以上を稼ぎたいなら、少なくとも、3000万円以上の利益を生む必要があります。
経営者側に立って、社員Aさんのお給料を決める時には、
「Aさんは、3000万円以上の利益を生む。
ただ、Aさんが3000万円生み出すためのマーケティング、社内の環境整備、社会保険や税金、手当や管理部門の人件費、社内留保金などを踏まえると、年収1000万円を支払うのが妥当」
などの思考回路が働くと思います。
やはり、年収の3倍の利益創出は、一つの指標になると思います。
よくバックオフィス側の方などから、「自身の職種では、利益算定が出来ない」と言われます。
ただ、外部に発注するはずだったコストをいかに抑えたか、ご自身の成果が何に繋がったかで、一定の算定は出来ると思います。
たとえば採用においては、
「エージェントなどの外部に頼んだ場合は、5000万円。それをチームの助けもありながら、一人で達成」
「自身が採用した20名の内、2名が社内MVPを獲得。2名が管理職に昇進。彼らが創出した利益は4億円」
などです。
もちろん、物事はそれほど単純ではないです。
ただ、算定自体を諦めてしまうよりも、このような数字意識を持ったほうがメリットはあると思います。
年収1000万円を目指すのであれば、まずは個人での創出利益3000万円以上を目指すべきだと思います。
【年収の算定方法】
年収算定方法の一例としては、下記の通りです。
・年収は「現年収」「面接での評価」「社内の平均年収」「業績」「入社後に想定される創出利益」「他社からのオファー額(マーケットバリュー)」で決まってきます。
・年収は「会社業績」×「個人実績」だと思います。儲かっている会社で実績を出せば上がります。
・年収は「創出価値」×「希少価値」です。他に替えが利かない価値が、高い評価に繋がります。
絶対的に正しいロジックはないです。
状況(景気、規模感)や当事者(企業、社員)にも依ります。
ただ、算定方法を知っておくと、経営陣や上司と、建設的なコミュニケーションがしやすくなると思います。
また、算定根拠を知らないと、ともすれば「利己的に、高年収が欲しい人」になってしまう恐れがあります。
【数字面以外の年収算定のポイント】
年収算定において、下記なども影響を与えます。
・アウトプットの形:「マネジメントタイプ」「スペシャリストタイプ」で「チームとして」「個人として」の算定の仕方が変わってきます。
・職種の違い:営業などのダイレクトな算定が出来る職種もあれば、人事や総務などの算定が難しい職種もあります。
・キャラクター:「役に立つ」ことで評価をされる人もいれば、「愛される」キャラで評価をされる人もいます。
数字が大きな要素ですが、目に見えない貢献や、社内で愛されているかなども小さくない算定ポイントだと思います。
【年収交渉における意外な話】
年収交渉において「経営目線を持ったほうが良い」「年収算定の根拠を知ったほうが良い」のは事実です。
経営者や判断者と、スムーズなコミュニケーションが出来ます。
一方で、経験則上、「人事」「エージェント」「経営経験者」など年収を扱ってきた方々のほうが、強めな(ともすれば、現実離れをした)年収交渉をしてくることがあります。
年収を交渉してきた自信があったり、通常よりも高い年収提示を見た経験があることが理由かもしれません。
たとえば、「現年収1000万円です。ただ、今回はキャリアアップのための転職なので、1200万円にしたいです。」などの論拠の弱いお話を、何百回と言われたことがあります。
最初は驚きましたし、一緒に仕事をしてきた方もいたので、「いつもと言っていること違うじゃないですか」と伝えたこともあります。
真正面から伝えると、「たしかに、そうですね」と反省した感じにはなるのですが、結局、面接では本音が出て、落ちるという場面を何度も見ました。
また、強烈な年収交渉をして、2000万円の年収を勝ち取った方が、自分と同じような経験の人を募集する時に「MAX1000万円。年収にコダワル人はNG」と言っていた事も何十回も経験しています。
人というのは、主観と客観は異なってくるのだなと思う場面です。
【年収1000万円以上の転職の成功例・改善例】
▼ヘッドハンティング転職の成功例1
・企業:ソーシャルゲーム企業
・年齢:30代前半
・ポジション:ゲーム演出技術を持ったエンジニア
・待遇:400万円→1100万円
・転職時の成功ポイント:
2010年前後、ソーシャルゲーム業界が最も盛り上がっていた時期に年収が3倍ほど上がった事例。
そのエンジニアの技術があると、ゲーム演出が華やかになり、ユーザーの口コミに繋がるということで、争奪戦になっていました。
「付加&希少価値の高い技術」
「あまり儲かっていないゲーム開発会社から、大儲けしていたゲーム会社に転職」
「そのエンジニアが入ることで、月1億円くらいのインパクト可能性」
「他社からも軒並み1000万円以上のオファー」
といった要素が大きかったです。
・その後のキャリア:
入社をした会社で期待通りに活躍。様々な代表作に関わった上で、個人としての信用やノウハウも蓄えて、その後、独立。現在はゲーム会社を経営。
▼ヘッドハンティング転職の成功例2
・企業:インターネットサービス企業
・年齢:40歳前後
・ポジション:事業責任者 執行役員候補
・待遇:1200万円→2000万円
・転職時の成功ポイント:
会社としても非常に重要な成長途上事業だっただけに、数百万円の投資を渋るよりも、優秀な人に本質的な投資をしようと、選りすぐった人材採用を開始。
実績、人柄、入社後のアウトプットイメージなどで最も納得度が高い候補者を選び、その人の言い値で年収を提示して、大幅な年収アップが成立。
これまでの経験をフルに活かせる環境であり、これまでの成功体験を再現させることが出来るイメージの解像度が高かった。
・その後のキャリア:
入社をした会社で、担当した事業を数十倍以上の規模に成長させた後に独立。
前職や転職先のメンバーと一緒に会社を作り、地方拠点も含めた規模感の会社に成長。
▼ヘッドハンティング転職の成功例3
・企業:インターネットサービス企業
・年齢:40歳前後
・ポジション:CTO候補
・待遇:1000万円→1800万円
・転職時の成功ポイント:
会社としては事業が順調でお金は潤沢にあった。
一方で、今後はテックカンパニーとしての存在感を強めていきたいと考えていた中で、内製化の強化に動く。
そこで技術スキルが高いと言うよりも、人材採用や組織構築力が高いVPoE候補を採用する動きになり、採用やマネジメント経験豊富な候補者にオファー。
儲かっている会社において、会社のニーズと、個人の強みが合致すると、スムーズな年収調整に繋がるパターン。
・その後のキャリア:
現在もVPoEとして、会社の事業成長や組織つくりに貢献。
▼ヘッドハンティング転職の改善例1
・企業:インターネットメディア企業
・年齢:40歳前後
・ポジション:事業責任者候補
・待遇:900万円→1500万円
・転職時のポイント:
候補者は優秀な実績があり、コミュニケーション能力も高い方だったので、大幅な年収アップでオファーが出る。
抽象度が高い話の内容であったものの、「この人であれば、やってくれるはず!」の期待値も高かった。
・入社後のポイント:
入社後、実際に事業は成長するものの、社長の期待値ほどではなかった。
「年収上げて採用したのだから40%は成長させてほしい」という社長の考え方と「この経営資源で25%の事業成長を実現出来ている自分の貢献を認めて欲しい」と考えている候補者側の、成果における期待値ギャップがあった。
どちらも言っていることが正しい分、調整が難しい。
入社後において、仕事内容だけではなく、スケジュール感や、アウトプットイメージは握ったほうが良い。
(「法人営業する」だけではなく、「法人営業として、1年間で売上1億円」のような形)
【総括】
年収1000万円以上というのは、ビジネスパーソンだと、目指すポイントの一つになるかもしれません。
ただ、役職もそうですが、年収も、その責任を負う必要があります。
年収1000万円=創出価値3000万円以上の責任を負うことが出来る自分に成長するか、そのような環境を見つけ出すことが重要だと思います。