『Eight』が展開するリクルーティングサービス「成功の秘密:転職市場に革命を起こすサービスの裏側に迫る

今回インタビューさせていただいたのは、名刺アプリ『Eight』を提供するSansan株式会社に勤める平井利明さん(以下敬称略)。2019年にEightを活用したリクルーティングサービス「Eight Career Design」がリリースされましたが、Eightユーザー370万人を対象にスカウトができるうえ、そのユーザーの半数以上が管理職クラスという強みを活かして急成長を遂げています。今回は過去最高の成約を果たしたエージェントが、サービスの秘訣についてお話を伺う。 ▼平井 利明    Sansan株式会社  Eight事業部    求人広告や採用コンサルティングを展開する人材会社で事業責任者に従事。  『Eight Career Design』の可能性に魅力を感じて、2021年12月にSansan入社。  2022年よりエージェント向け新サービスの立ち上げに携わる。 ■『Eight Career Design』のリリース背景について〜出会いからイノベーションを生み出す〜 ── **寺尾**: はじめに、元々は名刺管理サービスだった『Eight』から派生し、リクルーティングサービスがなぜ始まったのかについてお伺いしたいのですが、『Eight Career Design』は2019年にリリースされ、すでに5年が経過していますね。元々の背景として、採用市場の競争が激化し、中途採用市場の有効求人倍率が1.6倍(2019年当時)という状況でした。現在では新規求人倍率が2倍を超えており、企業の採用意欲は依然高い状態です。このような状況を予測して、立ち上げられたと言えるでしょうか? **平井**: 立ち上げの背景についてお話しする前に、『Eight Career Design』のサービスについて簡単に説明させてください。このサービスには、「求人企業向け」と「エージェント向け」の2つがありますが、2019年の立ち上げ期は「求人企業向け(ダイレクトリクルーティングサービス)」としてスタートしました。それを踏まえたうえで背景をお話しします。 1つ目は、寺尾さんが仰ったように採用市場の競争激化と、採用市場のレッドオーシャン化の課題解決です。 転職希望者は就業労働人口の中でも一部であり、需給バランスが非常に歪な状況があり

株式会社HERP 代表の庄田さんが語る『採用を変え、日本を強く。』

▼プロフィール株式会社HERP 代表取締役庄田 一郎京都大学法学部卒業後、リクルートに入社。 SUUMOの営業を経て、リクルートホールディングスへ出向後、エンジニア新卒採用に従事。その後、株式会社エウレカに採用広報担当として入社後、同責任者に就任。カップル向けコミュニケーションアプリ『Couples』のプロダクトオーナーを経て、2017年3月に株式会社HERPを創業。 【庄田さん幼少期】 ▼松井庄田さんとは、リクルート社からエウレカ社へ転職される際に支援したのがきっかけで、すでに10年近いお付き合いになるのですが、庄田さんの転職相談に乗った初対面時に、メチャクチャ心を開いてくれなかったことを覚えています(笑)。また、学歴・実績・コミュニケーション能力といったスペックの高さがあるにも関わらず、ご自身のことを「コンプレックスの塊」だと言っていたことが印象的でした。庄田さんは、一定のトガリがあった時期から転職や起業を経て、かなり人柄がマイルドになった印象があります。 ▼庄田最初は、メチャクチャ様子を見ていました。というよりも、昔から人を見てしまうタイプなんですよ。人を見る癖がついたのは、自分の強いコンプレックスが原因です。基本的に「自分はまだまだダメだ」と思い続けてきた人生で、「もっとやれる」「もっと良くならないとだめだ」という根拠も正確な目標もない漠然とした“不安”を持ち続けてるところがあります。そのコンプレックスが芽生えたのは幼少期の経験がベースだと思っていて、元を辿ってみると両親のコミュニケーションが「あなたは努力をしていないのでもっと頑張りなさい」というような基本姿勢だったことにあると思います。だからこそ、周りの人たちをよく観察して、「どうやったらあんな風にできるんだろう?」と、よく考えるタイプになりましたね。勉強やスポーツに関してはもちろんですが、コミュニケーションにおいてもコンプレックスが強くて、先天的にコミュニケーションが得意な人たちと接する度に「すごいなぁ」とか「どうやったらあれができるようになるのかな」とか考え続けていました。逆に、誰かと二人きりになるのが苦手で、「ここで何を話すことが正解なのか?」と考えてしまうが故に何も言えなくなるというようなことも昔は少なくありませんでした。 ▼松井そのような原体験から、人を観察するようになったのですね。ただ、庄田

MNTSQ株式会社 代表の板谷さんが語る『弁護士からIT経営者へ』

【MNTSQ社 創業経緯】 ▼松井MNTSQ社は創業時からお付き合いをさせていただき、何名もご入社いただいてきましたが、改めて、板谷さんが創業した経緯を教えて頂ければ ▼板谷私は長島・大野・常松法律事務所(以下、NO&T)で弁護士として働いていたのですが、仕事自体は非常に楽しかったです。 ある時、大手金融機関をクライアントとして、スタートアップ企業に融資する案件を担当しました。私は金融機関側の弁護士なので、端的に言えば、金融機関がリスクを最小化出来る契約書を作成しました。その後、相手のスタートアップ企業の代表から電話があったことから、契約内容を、もう少しスタートアップ企業寄りに変更をするための相談だと予想していたのですが、実際には、「板谷先生に対して全幅の信頼をしているので、進めてください。これで当社の事業を加速化できます。今回は本当にありがとうございました!」という感謝の言葉とともに、契約の締結をいただきました。 顧客である金融機関の利益を最大化出来た訳ですし、その取引先の代表も喜んでいる。弁護士としては良い仕事が出来たのかもしれません。ただ、「社会のため」の事業を行っている起業家に対して、私は「顧客のため」の仕事は出来たものの、「社会のため」の仕事が出来ているのか。そう考えた時に「顧客正義よりも社会正義を優先したい」「社会のために働いていきたい」といった思いが明確化されました。 また、目の前の顧客のために働いたとしても、世の中では年間に5億件の契約が締結されています。1件1件のベスト・プラクティスを目指す仕事も重要ですが、私がやりたいのは、ベスト・プラクティスを世の中に広げていき、皆さんに活用してもらうこと。ある意味で、エンジニアがオープンソースに貢献していくように、社会に役立つ法律のプラットフォームを作っていきたいと考えるようになりました。 【プロダクト化】 ▼松井 その後、大学の同級生でもあり、AIトップ企業のPKSHA Technology社の経営チームにもいた安野さんや堅山さんと相談して、プロダクトを作られたと記憶していますが、プロダクトを作るまでの過程はスムーズだったのでしょうか。 ▼板谷 まずは、「世の中に広く使ってもらえるプロダクトを作る構想は面白いよね」という話で盛り上がりました。 また、幸運だったことに、PKSHA Technolog