SaaS企業への転職のメリットや成功例、おすすめの理由をわかりやすく解説

目次

▼総括

SaaS企業へ転職を検討している皆様向けに、SaaS業界をお勧めする理由や転職の成功例などをお伝えします。
ご自身の今までの経験や志向性がマッチするようなら、SaaS企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか?
こちらの記事では、SaaS企業の動向や展望、転職の成功事例など、これからSaaS企業へ転職を考えている皆様に向けた情報をお伝えいたします。
是非最後までご一読頂ければと思います。

▼SaaSとは?

SaaSは、クラウド上にあるソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービスのことを指します。
インストール不要で、ベンダーが提供するクラウドサーバーにアクセスするだけで、ソフトウェアを使うことができます。
Saas事業における代表的な特徴としては、下記などがあります。

①ユーザーが「お金を払い続ける」

Saas事業はサブスクモデルで、ユーザーが継続的に課金します。その安定性がSaas事業の最大の優位性です。また、解約率(チャーンレート)が重要な指標であり、各社、カスタマーサクセスを充実させています。チャーンレートをいかに低く抑えるかが鍵とされていますが、上場している国内Saas企業のチャーンレートは1%を切っていることが珍しくないです。

②顧客獲得に先行投資

マザーズに上場した64社の内、25%にあたる16社が赤字上場していた時期がありました。
それだけSaas企業は先行投資が当たり前とされているビジネスモデルです。
とはいえ、投資過剰だと経営リスクがあるので、Saas企業は『40%ルール』を指標としていて、売上成長率と営業利益率を合算した数値が40%を超えれば優良とされていました。(今は更に利益を重視する流れになっていますが)

③特定の課題やユーザーニーズに向けてPMFする。そこから領域を拡大する

会計、マーケティング、人事、法務など、特定の業務や職種の課題解決に役立つホリゾンタルSaasがあります。
また、製造、建設、医療など、特定業界の課題解決に役立つバーティカルSaasがあります。
どちらのプロダクトも、マーケティングにプロダクトがフィットをした後は、他の領域に染み出していくような事業拡大をしていくことが多いです。
既存顧客に追加で新しいプロダクトを導入していくことで、売上拡大とともに、既存プロダクトの粘着性を高めています(解約されづらくなる)。

▼Saas企業の成長プロセス

Saas企業の大まかな事業成長プロセスを整理をすると、下記のとおりです。

①ターゲットになりうる顧客にニーズのヒアリング、マーケットリサーチ

幾つかの顧客に導入をして、製品とマーケットのニーズを擦り合わせる(PMFの達成)

②プロダクトを事業化するために、マーケ、営業、CXの拡充

売上を上げていき、顧客対応をしていくための組織つくりを推進。

③競合優位性を築く(Moat構築)

代表的な打ち手として下記などがあります。
・ネットワーク効果
・スイッチングコスト、囲い込み
・テクノロジー優位性
・コスト優位性

④事業拡大

・海外や地方など、マーケットを広げる(市場・顧客の拡大)
・会計システムから、人事システムのように付加価値を増やす(プロダクトの拡大)

▼Saas企業で働くメリット

①人的環境

今が旬の業界なので、各ポジションに優秀なメンバーが集まっている。
優秀なメンバーと仕組み作り、組織作りをしていくのは学ぶ機会が多いです。

②先進的な働き方

良い環境を提供できる余裕があるのと、そうしないと優秀なメンバーが集まらないし、定着しないことから、リモートワークやフレックスなど働きやすい環境つくりをしている企業が多いです。

③確かな社会貢献

『製造業界向けSaas』や『HRtech』などのように社会に、どのような価値を提供しているか分かりやすいです。

④今後の成長性

アメリカではSaasプロダクトの導入が一般的です。
日本はアメリカに比べると、まだ黎明期であり、成長期と言えます。
国内外の調査で、日本はパブリッククラウド抵抗国と位置づけられ、最先進国であるアメリカから5年以上も遅れているというデータもあります。
日本のSaaS市場は5000億円強と言われていますが、5年で3倍〜5倍の市場規模になってもおかしくはないです。
特に大企業の導入が遅れている中で、今後、導入が本格化すると予想されています。

⑤キャリアパス

ビジネスモデルが『the model』に踏襲されることが多いため、ある程度、キャリアパスが見えやすいですし、成果さえ出せば昇進する可能性が高いです。

⑥年収面

現状、顧客やVCなどから、お金が集まっている業界なので、待遇面の向上も見込めます。
また、採用激化しているほか、口コミにもアンテナが高い業界なので、きちんと社員への還元を行わないと退職者が増えるため、水準以上の待遇面の会社も多いです。

▼SaaS企業の選び方

数多あるSaas企業の中で、自身が、どの会社を選んで行けば良いか、代表的な判断材料は下記などです。

①そのプロダクトに共感が出来るか

そのプロダクトが「生み出す価値」や「解決できる課題」に対して、自身が「面白みを持てるか」「意義を感じることが出来るか」は大きなポイントです。
自分が良いと思えないプロダクトを広げる仕事は辛いので、プロダクトへの共感は最も大事なものの一つだと思います。

②ミッション/ビジョン

短期的な数字を追いかけることも大事ですが、長期的な柱である、ミッション/ビジョンも大事です。
これが無いと、数字を追いかけることだけが仕事になってしまうからです。

③人的環境

「誰と働くか」は非常に大事です。
一緒にいて「良い仕事が出来そうか、学びがありそうか」といった実利的な部分と、「楽しいと思えるか、好きになれるか」といった感情的な部分の両面で選んで良いと思います。
ただ、お互い面接という限られた時間と場所だけだと、見定めることは、結構難しいと思います。
面接は異常に上手いものの、仕事になると、全然違う結果が出るという人もいます。
可能であれば、面談、会食、ワークサンプルなどの形で、自身との相性を見定めても良いかもしれません。
また、「これまでの仕事は何点くらいですか?」といった質問で、相手の自己評価や価値観を確認したり、「こういう質問をして良いのか分からないですが」と前置きを置きながら、踏み込んだ質問や反論をして、相手の感情を覗き込むことをやってみても良いかもしれません。

④事業の成長性

主要KPIを押さえて、事業の成長性を確認(ARR/導入企業数/ARPU/売上高CAGRなど)する必要があります。
良い考え方、良いプロダクトを持っていても、それが売上などの数字に繋がっていないと、社内の空気は悪くなっていきます。
また、数字が出ていないということは、個々人も成果を出せていないという状況だと思われます。
「数字が出ていない=他の会社を選ぶべき」という話ではなく、それらの主要な数字を押さえながら、「競合他社に対する優位性」「マーケットの発展性」「自社サービスの今後の展開可能性」などを踏まえて、自身が価値を出せるのか、将来性がある事業なのかを見極める必要があります。

⑤キャリア戦略の方向性

キャリアの作り方として、「鶏口牛後」的に自身がキーパーソンとして組織を切り盛りする形もあれば、周りの5人の平均が自分」的に、とにかく優秀で尊敬できる人たちと働くことで、自身を引き上げていく形もあると思います。
どちらも正解だと思いますし、一長一短があります。
自身が、何を得たいのか、どのような環境だと成果を出してきたのかを、意識しながら方向性を決めていくと良いかもしれません。

⑥自身がアウトプットが出来るか

入社をした企業の事業成長に貢献できるからこそ、その候補者の方もハッピーになると思います。
また、入社前にアウトプットの解像度が高まらないと、入社後に活躍をする可能性は低いですし、そもそも企業側と入社合意することもないと思います。
一ヶ月、三ヶ月、半年、1年、数年と、ご自身のアウトプットイメージを企業側と握りながら、スケジュール感とアウトプットイメージの解像度を高めていただくと良いかもしれません。

▼Saas企業における転職の成功例・改善例

『成功例1』

・ケース:最初は興味が持てなかった会社への転職
・企業:Saas企業→Saas企業
・年齢:40代中盤
・ポジション:CFO
・待遇:2000万円→1500万円+SO
・転職時の成功ポイント:
現在、多くの企業が同じような誘い文章で人材募集しています。
採用マーケットの中で、埋没してしまう企業も多いです。
なかなか魅力が分かりづらい、本質的な価値提供をしているプロダクトを持った企業の、CFOポジションにマッチした候補者の方にアプローチしていきました。
最初は、全く興味を持たなかった候補者ですが、経営者との何度かの面談やワークサンプルを踏まえて、双方の中長期的なwin-win関係が見える中で、コミットする決断をされました。

『成功例2』

・ケース:魅力的な技術力を持った会社への転職
・企業:バーティカルSaas企業
・年齢:30代前半
・ポジション:CAO(管理部門責任者)
・待遇:1200万円→1200万円+SO
・転職時の成功ポイント:
Saas企業は、同様のビジネスモデルの会社が多く、経験ある候補者からすると「いつか、見た景色」になることも少なくないです。
ただ、これまでとは異なる「事業のポテンシャルの大きさ」「経営陣を含めたメンバーの優秀さ、健全性」「これまでの経験を活かして、確かな世の中への貢献」が出来ると考えて、入社を決めました。
入社後も、これまでの経験を活かして即戦力としてアウトプットをされていますし、前回よりも、上手く自分も周りもコントロールが出来ていると見受けられます。

『改善例1』

・ケース:入社前後の話が違った
・企業:ホリゾンタルSaas企業
・年齢:40代前半
・ポジション:営業責任者候補
・待遇:1200万円→1500万円
・ポイント:
これは弊社の事例ではないですが、転職において、「入社前後の話が違う」というのは、残念ながら起こりうることです。
営業責任者としてオファーが出ながらも、入ってみたら、一営業マンからのスタート。現場で実績を出した上で昇進させたいという会社側の意向。
会社側の考え方は理解が出来るものの、1500万円の年収をいただきながら、メンバーの仕事をするのは、自身にとっても、会社にとっても良いことではないという話をして、両者の考え方が平行線のまま、結果的に早期退職に至る。

▼総括

ここまでの内容はいかがだったでしょうか。成長著しい業界であることから、SaaS業界は給与面やそれ以外でも、とても魅力的と言えます。
皆様の今までのスキルセットやご経験がSaaS業界でも活かせそうでしたら、積極的に転職を検討してみて良いかもしれません。
また、当社には多くのSaaS業界転職支援実績がございます。
是非一度お問合せください。

企業様・求職者様インタビュー
コラム